ねえキヨバートさん、
第2回の記事を読んでくれた若い先生たちから、
“気づいたあとどうすればいいの?”って疑問が湧いてきてるんじゃないかな?
そうだね、実際に職場でもそういう相談はよくあるんだよ。
気づく力はあるのに、次の動き方がわからなくて一人で抱え込んでしまう先生が多くてね。
「抱え込まないで」ってよく言われるけど、じゃあ具体的にどうすればいいの?
うん、今日はそこをちゃんと答えるよ。
生徒指導主事として見てきた中で、チームで動くことの大切さを、実感を込めて話せると思う。
\この記事では/
静かなSOSに気づいたあとどうすればいいのか、
生徒指導主事として働くキヨバートさんがお届けします。
- 気になる子の「実態把握」の方法
- 一人で抱え込まないための「チームでの動き方」
- 管理職・生徒指導担当への相談のタイミングとコツ
- SC(スクールカウンセラー)・SSW(スクールソーシャルワーカー)との連携のしかた
今回は、【気にしてほしいあの子】三部作の最終回です。
1本目、2本目と合わせて読んでもらえると、より深く理解できますよ😊
→【気にしてほしいあの子①】「問題ない子」って本当に大丈夫?
→【気にしてほしいあの子②】クラスの中の静かなSOS、気づいていますか?
■ まず、「一人でなんとかしよう」をやめてほしい理由
こんにちは!現役教員のキヨバートです。
公立中学校の教員として20年以上、現在は生徒指導主事として働いています。
今日も、職員室での「キヨバート先生、ちょっと聞いて〜」の雰囲気で、
一緒に考えていこう☕️✨
若い先生ほど、「気になる子のことは自分で解決しなきゃ」「報告したら、自分の指導力のなさを見せることになる」と思いがち。
でも、そうじゃないんだ。
子ども一人ひとりを取り巻く事情は、担任だけで把握できるものではない。
家庭のこと、友人関係のこと、過去の経緯……
それらはチームで情報を持ち寄ってはじめて見えてくるもの。
“報告する=迷惑をかける”じゃないよ。
“情報を共有する=チームプレー”なんだ。
抱え込むことが、結局その子の助けになれない一番の理由になっちゃうから。
■ STEP1:まず「その子のことを知る」ことから始めよう
気になる子に気づいたら、まずはその子の実態を丁寧に把握することが大切。
感覚的に「なんか気になる」と思っているだけでは、他の先生に伝えることも、具体的なサポートを考えることも難しくなる。
実態把握のヒント
🔶アンケートや振り返りカード
週1回など定期的に書かせると、その子の気持ちが文字として見えてくることがある。
🔶学級日記・生活ノート
本音が出やすいツール。何気ない一文に「サイン」が隠れていることも。
🔶保護者連絡
家での様子と学校での様子が違うことがある。定期的にゆるく連絡を取り合うことが実態把握に役立つ。
アンケートは、”正解を書かせる”ためじゃなく、“その子のことを知るため”のツール。
読んで気になる書き方をしていたら、それだけで声をかけるきっかけになるよ。
■ STEP2:「気になること」を学年で共有する&管理職・生徒指導担当に相談する
実態が少しつかめてきたら、学年の先生たちと情報を共有しよう。
そしてほぼ同時に、生徒指導担当や管理職にも相談することが大切。
担任一人の目には限界がある。
体育の先生、給食中の先生、放課後の部活担当……
いろんな場面で見ている先生の視点を合わせると、意外な一面が見えてくる。
学年共有のポイント
▪️「こんな子がいて気になっています」と話題に出すだけでOK
▪️「どう思いますか?」と他の先生の視点を聞く
▪️「ちょっと気にかけておいてもらえますか」と頼む
これだけで、チームの目が増える。
“なんか最近気になる子がいて…”って、職員室でひと言言える関係性が大事。
大げさに構えなくていいんだよ。
雑談のついでくらいの気軽さで話せばいいからね。
また、学年で動く中で重要なのが支援の方向性をそろえること。
ある先生は注意するのに、ある先生は同じことを許している、
では子どもが混乱してしまう。
指導のスタイルは違っていい。
でも、指導の基準はそろえることが大切。
そのためにも、学年共有と同時に生徒指導担当・管理職への相談が必要!
若い先生がよかれと思って一人で動いて、気づいたら取り返しのつかない状況になっていた……
というのが、管理職や生徒指導主事にとって一番しんどい展開なんだ。
早めに「こういう子がいます」と一言伝えてくれるだけで、チームとして一緒に考えられるからね。
それだけで、その後の動きがまったく変わってくるんだよ。
■ STEP3:SC・SSWに相談する
「もう少し専門的なサポートが必要かも……」と感じたら、
SC(スクールカウンセラー)やSSW(スクールソーシャルワーカー)に相談しましょう。
ただし、SCは複数の学校を兼任していることが多くスケジュール調整が必要なこと、
SSWは行政機関や医療機関と連携することが多いため、必ず管理職を通して動くことが基本です。
SCとSSW、何が違うの?
| SC(スクールカウンセラー) | SSW(スクールソーシャルワーカー) | |
|---|---|---|
| 専門 | 心理の専門家 | 福祉の専門家 |
| 得意なこと | 子どもや保護者へのカウンセリング・心理的アセスメント | 家庭環境の課題・関係機関との連携 |
| 使いどころ | 子どもの内面が気になるとき | 家庭の状況が気になるとき |
SCやSSWは、担任をサポートするためにいる存在。
でも、いきなり自分だけで動くのではなく、まず管理職に相談してから一緒に動く、というのが正しい流れだよ。
遠慮なく頼ってほしいけど、順番は大事にしてね。
SCに相談するときのコツ
難しく考えなくて大丈夫!
こんな伝え方でOK。
「〇〇さんのことで気になっていることがあって。最近こういう様子が続いていて、どうしたらいいか相談したいんですが、お時間もらえますか?」
具体的な様子を少し添えるだけで、専門家にとっても動きやすくなります。
■ 「一人で抱え込まない」は、その子のためでもある
ここまで3つのステップを見てきましたが、大切なのは「動き出すこと」です。
気になるなと思ったら、 まずアンケートや振り返りカードで実態を探る。
学年の先生に話してみる。
管理職に一報入れる。
SCやSSWに相談してみる。
どれか一つでも動ければ、「一人で抱え込む」状態から抜け出せる。
そして、チームで動くことは先生自身を守ることでもある。
何かあったときに「一人でずっと悩んでいました」より、
「こういう経緯で、こう対応してきました」と言える状況をつくっておくことが、
先生を守ることにもつながる。
先生が孤立しないことが、その子を孤立させないことにもつながっていく!
■ まとめ
| ステップ | やること |
|---|---|
| STEP1 | アンケート・日記・保護者連絡で実態を把握する |
| STEP2 | 学年の先生と情報共有 & 生徒指導担当・管理職に相談する(同時並行で!) |
| STEP3 | SC・SSWに相談する(管理職を通して) |
どれか一つから始めてみてみよう。
「一人で抱え込まない」選択が、その子を救うことにつながる。
“助けを求める”って、弱さじゃないんだよ。
チームを信頼できるってことなんだ。
その子のために動こうとしているなら、一人でやろうとしなくていい。
周りをちゃんと頼ってほしい。
🌿気づけなかったあの子の“後日談”
「気にしてほしいあの子」三部作を通じて、キヨバートさんの言葉を届けてきましたが……最後に、一つだけ後日談をお話しさせてください。
🍀 あんのこのこより
第1回に登場した、父子家庭の男の子のことです。
先日、キヨバートさんが学校帰りにスーパーへ寄ったとき、店員さんから声をかけられたそうです。
「キヨバート先生!覚えてますか!?あんのこのこ先生はお元気ですか?」
振り返ると、はつらつとした笑顔で立っていたのは……あの子でした。
あのころのおとなしかった姿からは想像できないくらい、自信にあふれた表情で。
もう立派な社会人です。
キヨバートさんから話を聞いたとき、私まで嬉しくなってしまいました。
自分から声をかけてくれたこと、私のことまで気にかけてくれていたこと……
もう、じーんとしてしまって😭✨
子どもって、ちゃんと育っていくんですね。
未熟だった私が彼にしてあげられたことは少なかったけど、
わけもわからず奮闘していたあの日々は、無駄じゃなかったんだと思えました。
気にかけていたことは、直接伝わっていなくても、ちゃんとどこかに残っていたんですね。
彼が一歩一歩自分の足で人生を歩んで、立派な社会人としてがんばっていたこと……
本当に嬉しかったです☺️
あなたが感じた「あれ?」という小さな気持ちを、どうか大切にしてください。
そしてどうか、一人で抱え込まないで。
キヨバートさんと私あんのこのこは、そんな先生をいつも応援しています😊







