おはよう! 早く起きて〜!
う〜ん…zzzzz…
早くしないと、学校に間に合わないよ!
う〜ん…今日、学校行きたくないな…
お子さんがいるご家庭なら、一度はこんなやりとりをしたことがあるのではないでしょうか? 朝の忙しい時間に「学校に行きたくない」と言われると、親としては焦りますよね。
頭の中でいろいろな考えがぐるぐる…。
「風邪でもひいたのかな?」
「学校で何かあった? 友達関係? 勉強?」
「ただの甘え? それとも本当にしんどいの?」
「でも、仕事休めないし…どうしよう!」
熱はないし、病気ではなさそう。でも「行きたくない」って言ってる…。こんなとき、どうするのが正解? 休ませるべき? それとも頑張って行かせた方がいい? やっちゃいけないNG対応ってあるの?
子どもが「行きたくない」と言ったとき、親としてどう対応するべきか悩むものですよね。毎日のことだからこそ、どこまで受け入れるべきなのか、どこで背中を押すべきなのか…判断が難しい。
こんなときは——
現役教員のキヨバートさんに聞いてみよう!
目次
- まずは落ち着いて、子どもの気持ちを受け止めよう
- 「学校に行きたくない」の理由とNG対応
- 先生はどう対応してくれる? 相談してもいいの?
- 年齢別・よくある理由と親ができること
- 子どもの気持ちを支えながら、親も焦らず向き合おう
1.まずは落ち着いて、子どもの気持ちを受け止めよう
「なんで学校行かないの?」「このまま休み続けたらどうしよう」「授業に遅れちゃう…」——子どもに「学校に行きたくない」と言われると、親としては不安になりますよね。でも、ちょっと思い出してみてください。
大人だって、「今日は仕事休みたいな…」と思う日、ありますよね?
それと同じで、子どもにも「今日は学校を休みたいな…」と思う日があるんです。
ただ、それを口に出すのは別の話。とくに、親に向かって「休みたい」と伝えるのは、子どもにとって勇気がいることかもしれません。
だからこそ、まずは 慌てず、怒らず、落ち着いて話を聞くこと が大切。
「どうしても学校に行かせなきゃ」と焦るよりも、 まずは子どもの不安を解消することを優先 してみてください。
2.「学校に行きたくない」の理由とNG対応
子どもが「学校に行きたくない」と感じる理由はさまざま。同じ子でも、そのときどきで変わることもありますが、大きく分けると次の3つのパターンがあります。
① 体調の問題 … けがや病気、疲れなどで身体的にしんどいとき
② 環境の問題 … クラス替えや班替え、行事や発表への不安など、周りの変化に戸惑っているとき
③ 心理的問題 … 人間関係や勉強の悩み、「なんとなくやる気が出ない」といった心のモヤモヤ
親としては、心配だし、できるだけ早く原因を見つけて解決したいところですよね。でも、
❌「なんで学校に行きたくないの?」
❌「言わないとわからないでしょ!」
❌「理由がないなら学校に行きなさい!」
こんなふうに問い詰めるのはNG。
子ども自身、自分の気持ちに気づけていないこともあれば、うまく説明できないこともあります。また、プライドが邪魔をして、言いたくても言えない場合も…。そういうとき、 「休むための理由」を無理につくってしまうことがある んです。
でも、それは本当の理由ではないので、どれだけ対策を講じても問題解決にはつながりません。
大切なのは、理由を聞くときに問い詰めないこと。
「今はまだ言えないんだな」と思ったら、無理に聞き出そうとせず、そっと様子を見守るのもひとつの方法です。学校の先生に相談してみるのも、手がかりを得るための良い手段かもしれませんね。
3.先生はどう対応してくれる? 相談してもいいの?
そんなことで学校に電話してもいいの? 大きな問題が起きてるわけじゃないのに、先生に相談するのって迷っちゃうよ。
実はね、保護者からの連絡のおかげで問題が早く解決できることって、たくさんあるんだよ。問題が小さいうちにね。
え!? そうなの?
僕なら、「うちの子が学校に行きたくないと言ってる」と聞いたら、まずはその子の様子を振り返るよ。
「最近、保健室に行く回数が増えたな…」
「一緒にいるグループが変わった?」
「今日までの課題が終わらなくて困ってたな」
そんなふうに、気づいたことをつなげて考えるんだ。そして、子どもたちや他の先生にも話を聞いて情報を集めてから保護者に連絡する。そこで家での様子を聞いて、一緒に今後の対応を考えていくんだよ。
理由が分かるだけで少しホッとするよね。でも、解決できるの?
もちろん、先生に言えばすべて解決するわけじゃないよ。でも、わが子を気にかけてくれる大人が増える のは、決して悪いことじゃないよね?
先生も家での様子を知れるのは本当にありがたいんだ。
じゃあ、先生に相談するときは家での様子を話して、「学校ではどうですか?」と聞いてみたらいいんだね。
そうだね。
それと、最近はSNSのトラブル が本当に多いんだ。学校も保護者も気づかず、気づいたときにはかなり深刻な問題になっていることもある。日ごろから、子どものSNSの使い方には気をつけておくといいね。
4.年齢別・よくある理由と親ができること
子どもが学校に行きたくない理由は、年齢によって変わるもの。まずは気持ちを受け止め、理由を探り、必要なら休ませることも考えながら、学校と連携 していこう。
🟡 小学生(低学年・高学年)
低学年(1〜3年生)
特徴:「理由をうまく言えない」「親のサポートが大事」
✅ よくある理由
- 朝の支度が面倒(眠い・寒い・ぼーっとする)
- 環境の変化がストレス(クラス替え・新しい先生・給食が嫌)
- 友達とトラブル(まだ言葉で解決できない)
- 勉強が難しくなった(ついていけない、先生に叱られる)
✅ 親としてできること
✔気持ちを言語化する手伝い:「何がイヤなの? 言葉にするの難しいよね。一緒に考えよう。」
✔ 朝の支度をスムーズに:「朝がしんどいなら、夜に準備をしよう!」
✔ 学校との連携を意識:「先生に伝えてみようか?」と本人と相談しながら動く。
✔ ハードルを下げる声かけ:「学校に着くまで頑張ろう!」→「教室まで行くだけでもOK!」
高学年(4〜6年生)
特徴:「プライドと本心の間で揺れる」「大人の対応が必要」
✅ よくある理由
- 人間関係が複雑に(仲間外れ・悪口・グループの変化)
- 勉強の難しさUP(テスト・宿題・成績)
- 先生や授業のスタイルが合わない(厳しい・授業が難しい)
- 思春期の入り口(親に話しにくい)
✅ 親としてできること
✔ 問い詰めず、まず受け止める:「そうか、行きたくないんだね。」
✔ プライドを尊重する:「先生に話す? 自分で何かできそう?」
✔ 親の経験を話す:「ママも学校イヤな時あったよ~。そのときはね…。」
✔ 休む選択肢を伝える:「一日休んで、ゆっくり考えてみる?」(でも翌日のことは話し合う)
🟠 中学生(1〜3年生)
特徴:「親離れと甘えの間で葛藤」「プライドが高くなる」
✅ よくある理由
- 人間関係のストレスがより深刻に(いじめ・陰口・恋愛・友達との距離感)
- 成績や受験のプレッシャー(「もう無理…」「どうせダメだし…」)
- 先生との相性(「あの先生、私のこと嫌ってる…」)
- 家庭のことを気にする(「親に迷惑かけたくないけど、本当は辛い」)
✅ 親としてできること
✔ 「どうしたの?」ではなく「何かあった?」と聞く(話すかどうかは本人に任せる)
✔ アドバイスより「聞くこと」を優先:「そっか、辛いんだね。」
✔ 無理に登校を押し付けない:「今は学校がしんどいのかもしれないね。」(落ち着くまで様子を見る)
✔ 第三者(スクールカウンセラー・先生)とつながるのもアリ:「一人で悩まなくていいんだよ。」
✔ 「休むなら何をする?」を決める(家で勉強? 好きなことをしてリフレッシュ?)
🌿 まとめ:年齢別に意識すること
🔹 低学年 → 「言葉にできない気持ちを代弁する」
🔹 高学年 → 「プライドを傷つけず、相談できる雰囲気を作る」
🔹 中学生 → 「親が先回りせず、でも見守る」
5.子どもの気持ちを支えながら、親も焦らず向き合おう
「学校に行きたくない」理由も対応も、年齢によって全然ちがうんだ。
小さいうちは親のフォローが大きいけど、成長するにつれて自分で考えさせることも大事になってくるんだね。
学校に行かせるかどうかよりも子どもの気持ちをどう支えるかを軸にすると、親も焦らず対応出来ると思うよ。
大人も子どもも、時には心の充電日が必要だね!
子どもが「学校に行きたくない」と言うと、親としては焦るもの。でも、大事なのは“無理に行かせること”ではなく、“子どもの気持ちに寄り添いながら、どう支えていくか”。毎日頑張っているからこそ、時にはちょっと立ち止まって、一緒に考える時間を作ってもいいのかもしれませんね。
大丈夫、明日はきっといい日になるよ!