こんにちは、キヨバートです。
公立中学校で20年以上、現在は生徒指導主事として働いています。
クラスにいる、静かで目立たない子。
手がかからない子。
先生から見て「問題ない子」。
…その子、本当に大丈夫でしょうか?
今日は、そんな問いを持ちながら読んでもらえると嬉しいです。
気づけなかった、あの子のこと
👫 ある日の夫婦の会話
ねえキヨバートさん、
私さ、先生やってたとき、毎日が精一杯で本当にクラスのこと見えてなかったと思うんだよね。
どういうこと?
うるさい子、遅刻する子、宿題を出さない子…そういう子ばっかりに目がいってたの。
大人しい子たちには全然意識が向いてなくて。
むしろ「大人しくしてくれてて助かる」って思ってたくらいで💦
それ、余裕のない若い先生にはよくあることだよ。
でもさ、今思うと、大人しい子たちにだって、それぞれ何か抱えてたはずなんだよね。
私が気づいてないだけで。
実はね、今でも後悔してる子がいて。
……どんな子?
父子家庭の男の子でね。
お父さんが長距離ドライバーで、仕事に出ると1、2週間くらい家を空けるの。
その間、その子は一人でコンビニやスーパーで買ったものを食べて、自分で洗濯もして…中学生なのに。
お弁当の時間、最初はコンビニのパンを食べてたんだけど、周りはみんな家の人が作ったお弁当だから、いつの間にかスーパーで買った惣菜をお弁当箱に詰め直して持ってきてたの。
……それ、気づいてたの?
全然💦1学期末の個人懇談でお父さんから聞くまで知らなかったの。
でも今思うと、気づける機会はきっとあったはずなんだよね。
お弁当の中身とか、ちょっとした表情とか。
それを全部見逃してた。
知ってからも、もっと声をかけてあげればよかった。
ご飯のこと、生活のこと、寂しくないかとか。
周りの子には当たり前のことでも、あの子にとっては精一杯の頑張りだったんだよね。
毎日お弁当を持ってくること、笑顔で登校すること、それだけで全力だったのかもしれないのに。
うちの長男くんも今中学生だけど、まだまだ何にもできないもん。
お父さんがいない夜、その子どれだけ寂しかったかって思うと…今でも胸が痛い。
その子のこと、ちゃんと覚えてるんだね。
忘れられないよ。
自分のクラスの子なのに、ちゃんと見てあげられなかったから。
親になってわかったんだけど、保護者にとっては「大事な一人」なんだよね。
先生にとってはクラスの中の一人かもしれないけど、その子のお父さんにとっては世界でたった一人の子どもで。
その意識が足りなかったなって。
そういう気持ちを持てるようになったのは、親になったからこそだよ。
でもね、それは自分を責めることじゃなくて、「次にどうするか」につながる大事な気づきだと思う。
🌿キヨバートから、先生たちへ
あの子に、できることはあった?
あの子のことを聞いて、思うことがある。
担任一人が抱え込む必要は、なかったんだ。
まず、学年主任や他の先生に話すこと。
「ちょっと気になる子がいて」って声に出すだけで、見えてくるものが変わってくる。
先生の目は一つじゃなくて、学年みんなの目になるから。
それでも「これは担任だけじゃ難しい」と感じたら、管理職に相談すること。
一人で判断しなくていい。
そして、学校には心強い専門家がいる。
スクールカウンセラー(SC) は、子どもの心のケアを専門としている。
本人だけでなく、保護者の相談にも乗ってもらえる。
スクールソーシャルワーカー(SSW) は、家庭環境や生活面の困りごとに強い。
あの子のように、家での生活が心配なケースでは特に力になってくれる存在だ。
そして、学校だけでは支えきれないと判断したときには、市区町村の福祉窓口や子ども家庭支援センターへつなぐことも一つの手だ。
「相談することは、弱いことじゃない。チームで子どもを守ることだ。」
若い先生には、そう伝えたい。
あんのこのこより
私自身、先生をしていたとき、気づけなかったことがたくさんありました。
「大人しくしてくれてて助かる」なんて思っていた自分が、今となっては恥ずかしいくらいです💦
でも、こうして振り返って「あのときこうしてあげればよかった」と思えることが、次への一歩になると信じています。
完璧じゃなくていい。
「あれ?」と思ったとき、一人で抱え込まずに声に出してみること。
それだけで、見えてくるものがきっとあります。
がんばっている先生たちのこと、いつも応援しています!
次回は「気にしてほしいあの子」をタイプ別に見ていきますよ😊







