私の息子、長男くん(現在小5)には、重度の食物アレルギーがあります。卵と乳にアレルギーがあり、特に乳製品はごく微量の成分(乳糖など)でもアナフィラキシーを引き起こしてしまいます。そのため、いつもエピペンや薬を持ち歩いています。
乳幼児期にはアトピーにも悩まされ、現在も喘息の治療を続けています。
そんな長男くんのアレルギーについて、まずはお話ししたいと思います。
目次
- アレルギーが分かったのはいつ?
- 初めてのアナフィラキシーショック
- その後の生活の変化
- 現在の長男くん
- おわりに ――「知ること」で守れる命がある
1. アレルギーが分かったのはいつ?
長男くんは生後1ヶ月ごろから乳児湿疹がひどく、頭にはかさぶたができ、口の周りは常に赤くなっていました。当時は小児科で診てもらっていましたが、生後4ヶ月頃になると、口の周りがじゅくじゅくにただれ、症状が悪化。心配になり、初めて皮膚科を受診しました。
皮膚科ではアトピー性皮膚炎と診断受け、スクラッチテスト(皮膚に少量のアレルゲンをつけて反応を見る検査)も実施。その結果、卵と乳に強い反応があり、アレルギーがあることが判明しました。先生の「小さな赤ちゃんから血を採るのは負担が大きい」という考えから、血液検査ではなくスクラッチテストを行いました。
2. 初めてのアナフィラキシーショック
長男くんが卵と乳のアレルギーだと分かり、戸惑いながらも完全除去の食事に悪戦苦闘していた頃、初めてのアナフィラキシーショック(重篤なアレルギー反応)が起こりました。
それは、長男くんが1歳半の時のこと。スナック菓子を食べさせたところ、その中に「カゼイン」という乳成分が含まれていました。
当時の私たち夫婦は、カゼインが牛乳のタンパク質の約80%を占める成分だということを知らなかったのです。知らないって本当に怖い…。
スナック菓子に含まれていたカゼインはごく微量でしたが、長男くんにとっては命にかかわる量でした。
カゼインは、お菓子や顆粒だし、コンソメ、ハムや加工食品など、意外なところにも含まれています。原材料のチェックは本当に大切です!
現れた症状
・じんましん
・嘔吐
・息苦しさ
・血圧低下
・意識低下
ちゃんと息をしているの?
血の気の引いた顔で、ぐったりと眠っているよう。
必死で何度も名前を呼び体をゆすると、うっすらと目を開け、また意識を失っていく…
自分の胸に抱えた息子を、このまま失ってしまうのではないかという恐怖。
心臓が締めつけられるような感覚。
あの瞬間の絶望は、今でも忘れることができません。
今でも、その瞬間が夢に出てきてしまうことがあります。
詳しいエピソードは、また別の記事で書きますね。
3. その後の生活の変化
長男くんのアナフィラキシーショックという恐ろしい経験は、私たち夫婦にとって、アレルギーと本気で向き合うきっかけになりました。
「もう二度と、あんなつらい思いをさせてはいけない!」
「大切なわが子の命を、私たちが守らなければ!」
幼い長男くんが口にするものは、すべて私たちが与えたもの。その責任の重さを痛感しました。
《生活の変化》
✅ 原材料のチェックを徹底
➡ 二人以上で確認すると安心!
✅ 初めて食べる食品は少量から
➡ 食後の様子をしっかり観察
✅ 調理時のコンタミネーション(意図せずアレルゲンが混入すること)に注意
➡ 調理器具の使い分けを徹底
✅ 祖父母や周囲の人にアレルギーを理解してもらう
✅ 長男くん自身にも「食べられないもの」を少しずつ教える
✅ 食べられる食品の情報収集を欠かさない
✅ アレルギー対応レシピのレパートリーを増やす
心境の変化
一番大きかったのは、私たち自身の意識の変化です。
命の危険を目の当たりにし、アレルギーの恐ろしさを心から実感しました。
そして、「親の対応」や「万が一の備え」がどれほど大切かを痛感しました。
4. 現在の長男くん
そして月日は流れ、長男くんは11歳になりました。
ここでよくあるパターンは…
《例》現在はこれくらい食べられるようになりました🍦
…という展開でしょうか。
でも、残念ながら長男くんのアレルギーは良くなっていません。
とても重度のため、経口免疫療法(少量のアレルゲンを食べて体を慣らす治療法)も思うように進められず…
やはり治療には個人差があるのです。
「SNSやネットでは、治療の成果や経過を発信している人がたくさんいます。でも、焦らないで!気持ちはすごく分かるけど、アレルギーは本当に個人差があるもの。病院の先生としっかり相談しながら、無理のないペースで進めるのが大切だよ。」
長男くんの成長
とはいえ、長男くんももう11歳!
アレルギーとうまく付き合いながら、たくましく成長しています✨
✅ 自分で原材料をチェックできるようになった!
➡ もちろん親も一緒に確認!
✅ 人に自分のアレルギーを伝えられるようになった!
➡ お菓子をもらったときや外食時に大切な力✨
✅ エピペンを肌身離さず持ち歩けるようになった!
➡ アナフィラキシーショックの緊急時に使う自己注射薬、大切な命綱!
✅ 体調の変化を伝えられるようになった!
➡ 「口がかゆい」「気持ち悪い」など、早めの対応ができる
✅ 自分のアレルギーを受け入れ、心も大きく成長!
➡ 「どうしてボクだけ食べられないの?」とつらい経験もたくさんしてきた。
私自身の変化
私も、以前よりずっと肩の力を抜いて子育てできるようになりました。
- 小学校では完全弁当なので、毎朝お弁当作り!でも、上手に手抜きもしながらやっています。
- 家族で旅行や外食も楽しめるように!
- 信頼できる医師がいてくれることの安心感✨
いざというときに受診できる総合病院に、わが子のアレルギーを理解している医師がいると安心!
5. おわりに ――「知ること」で守れる命がある
長男くんの離乳食が始まってから、私たち夫婦の「アレルギーっ子の子育て」がスタートしました。
でも、当時の私たちはアレルギーに関する知識が乏しく、その無知が誤食につながり、長男くんを危険な目に遭わせてしまったこともあります。
アレルギーっ子にとって、食べるもの一つひとつが命に直結する問題です。
そして、万が一誤食してしまったとき、どう対処するかを知っておくことも大切。
私がこのブログで伝えたいのは、「かつての私に教えてあげたかったこと」です。
初めてのアレルギー対応に戸惑い、不安になりながらも頑張るママ・パパの助けに、少しでもなれたら嬉しいです。
「知ること」で守れる命がある。
このブログが、そのきっかけの一つになれますように。
私の歩いて来た道が、きっと誰かの心をそっと照らすのよ!